日記
とかく人と比べたり競争をしがちな世の中で、まわりを気にせずに自分のペースで歩いて行けることほど幸なことはない。
朝。
間引いたばかりのみずみずしい大根や小松菜をカゴに入れて、カフェの仕事へ向かう妻に渡した。
それからコーヒーを一杯飲み、友だちのデザインオフィスへ。
パソコンを借りて、いただいたメールに目を通す。
家に帰り手帳を開いて、次の旅の計画を立てる。
昼下がり。
ギターを手にして、新しいアルバムの曲を中心にいくつか演奏した。
途中軽く居眠り。
それから廊下にあるピアノの前に座り、ライブをイメージしながら弾いては、小さく歌った。
今は西側の気に入りの部屋で、ジャクソンブラウンのファーストを聴いている。
クリスタルのサンキャッチャーが、くるくると回りながら無数の虹色の光を、壁や柱に放ち続ける。
台風の第一波が届いたのだ。
どんな道にも風が吹き雨が降り、日が照りつけるように、どんな人生もそれなりにきびしくやさしく、平坦ではない。
人間とはいつもささえあって生きてくものだ。
夕方になれば、久し振りの客を我が家に迎える。
なにもないが、いい一日だ。