太陽
太陽に導かれ、短くも心暖まるいい旅だった。
電車に揺られ、船にも揺れて。
雨も降ったが、夜になれば星も月も輝いていた。
ただ気の向くままに、人の波を泳いでゆく。
帰り道にはギターケースを引きずりながら、高松のナリくんからもらった(彼いわく、貸すということらしいが)赤いチェックのベストを着て歩いていた。
少し冷たくなった風を遮るにはちょうどいい。
半年ぶりに履いたブーツはすでにくたびれた顔をして、うらめしそうに僕を見上げてるけど。
静けさのなかで秋は深まりつつあり、風には時折冬の匂いさえ混じっている。
陸地がだいぶ乾いてきたから、ギターは夏と比べれば、軽やかで優しい音をリラックスしたまま奏でてるように感じる。
そして歌はいつも自由だ。
高知のマナブくんとは、またいつかムービーショウとライブをやりながら旅しようと約束して別れた。