ナガサキ
長崎のラジオ番組への出演を終えて、とあるダイニングのカウンターに腰を落ち着かせた。
音楽を愛するマスターは、ビートルズのホワイトアルバムで僕を出迎えてくれたのだ。
ハートランドで孤独
な打ち上げの口火を切り、次のベルギービールにグラスを明け渡す直前に、マスターはレコードをホワイトアルバムから、ポールマッカートニーのソロアルバム、マッカートニーに切り替えた。
ビールにカルパッチョ、そしてマッカートニー。しかもアナログで聴く。
最高に贅沢なディナーだけど、サーモンとアスパラガスの和風パスタを平らげたら、バスターミナルへ行かなくちゃ。
19時10分、熊本行きの最終バスが待ってくれている。
帰り際、アルバムからは、JUNKが流れていた。
ポールがその後のライブ、例えばアンプラグドなどでマッカートニーに収録されている楽曲から多く演奏していることを考えると、彼のこのアルバムへの思い入れを伺い知ることができる。
僕にとって、月が昇る頃キミはがそうであるように、ポールにとってマッカートニーは、とても大切なアルバムだったのかもしれない。