ダイコン

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腰を入れて畑仕事をはじめてまだ一年足らずだが、野菜そのものよりも多くの収穫があったことは言うまでもなく、特にそれが心や体、ひいては魂に与える力は計り知れない。

今朝の食卓にあげたのは次なるものだ。

畑から間引いたばかりの野菜、カブやダイコン、小松菜やチンゲンサイを、片っ端から切り刻んでビーフンと一緒にフライパンで炒める。
それに塩と醤油、豆腐ベースのマヨネーズをからめてできたのは、得たいの知れない男料理。

引き抜いたばかりのニンジンはスライスして、塩とオリーブオイルをかけてサラダに。

どちらの皿も見た目は無様なものに違いないが、不思議なことに、食べながら体に力がみなぎるのが分かる。

それはまるで手にとるようにはっきりと。

力強い大地と太陽と雨の恵みを、その命そのものをいただいていると、染みるほど感じるのだ。


一方で人間の世界では、高級なものや簡単に手に入るものの中に、食べるたびに疲れるものや、悲しいくらい気が落ちていくものがあることも、容易に想像できる。


僕らが口にしているのは、その野菜なり肉なりがたどってきた物語そのものであり、人間に食べられるためだけに生まれて来たかった命など、ただのひとつもありはしない。

野菜を育て、収穫し、口に運んだ時に、僕と野菜は愛の交歓を完了する。

自然とテーブルには、優しい笑みがこぼれる。

そして初めて小さな僕は、この世界に神の祝福があらんことを心から祈るのだ。