旅をしているときは、家に帰って何をしようかと考える。

少しゆっくりした毎日を送りたい。まずは濃いめのコーヒーを淹れて。

畑や山に入ってあれこれといつものように、朝の収穫や草刈りに草取り。

種まきだ。大根やゴボウ。葉ものだったら小松菜に春菊かな。

庭の手入れや部屋の掃除も忘れてはならない。
秋物の服をいくつかリペアに出したりして。

時々気が向いたらギターをさわって、新しい歌をつくろうかなんてことを。


ところがひとたび家に帰れば、旅のことを考える。

冬はきっとあの町に行きたい。

寒くなったら、ライブでカフェやアンジェリーナを歌おう。

またあの色褪せた皮ジャンにブーツを履くんだろうな。

それから年があけたらまずは北の大地へ行こう。みんな待っててくれてるはず。

春になったら北陸や、太平洋側を旅するのもいい。

そんなことをぼんやり、思いついては秋の空へ放り投げるのだ。



梅雨に旅したときの様子を、福井に住む友達のヒロキがフォトブックにしてくれた。
壁際にそっと飾った。


西日が気持ちいい季節。
もみじの影が、子どもみたいにこっちへおいでと手招きする。


そして僕は、ひとり静かに一からやり直すことにした。