road trip

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撮影はアメリカ大陸の南西部、八日間かけておよそ2000キロをひた走るロードトリップだった。

ロサンゼルスを出てジョシュアツリーとソルトンシー。
フェニックスを経由して、セドナでは美しい夕日を眺めた。
静かな田舎町ページのモーテルでは倒れこむように眠り、赤い岩肌が印象的なザイオン国立公園では朝焼けの空にギターを弾いた。

セントジョージ郊外のスノーキャニオンで満天の星空を仰ぎ、絶景のバレーオブファイヤーを越えて、黄昏のよく似合うラスベガスへ滑り込んだ。フリーウェイ脇のダイナーでクランクアップしたあと、夕闇に浮かぶロスへようやく帰ってきた。

僕を含めスタッフは総勢6人。毎日クタクタになりながら、それでも毎日笑いながら、そして励まし合いながら、最高の旅を走り続けた。

一瞬一瞬に奇跡を感じ、何度も胸の中で、空と大地と仲間とに感謝をした。

ブーツは荒野の砂ボコリにまみれ、ギターケースはカバーが剥げそうなほどだったが、心は今もどこまでも清々しく突き抜けている。

メンバーの中では僕が一番使い古された存在だったが、旅はまるで学生時代の頃の合宿のようでもあり、ひとりのツアーが多い自分にとって、海外でこんな雰囲気を味わえるのはもしかしたらこれが最後かもしれないと思った。

余談だが、アメリカに渡る前のある晩、銃で撃たれて死ぬ夢を見た。その時確かに僕は左ハンドルの車の助手席にいた。

成田に帰る飛行機に乗るまで、このことは誰にも内緒にしていた。

無事に帰れてほっとしたけれど、心のどこかでそんなラストシーンもあるのかもななんて思っていたのだ。

なにはともあれ旅は終わって僕らはそれぞれの場所に帰ってきたけれど、6人ともきっとこう思っているだろう。

これからが旅のはじまりだと。